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現代の海賊

  • 外航貨物海上保険について社内勉強会をしていると、海上輸送時のリスクの例に「海賊」という言葉を見つけたスタッフから驚きの声があがりました。

 

  • 「海賊」と聞くと、つい、某テーマパークのアトラクションや映画のイメージが先行しますが・・・現代においても、海賊と呼ばれる集団また海賊行為が発生しています。数にして年間約100件。その多発地帯は(私達のイメージしがちな)カリブ海ではなく、アフリカ大陸沿岸。外務省ホームページにも「海賊等事案に関する注意喚起」として公式発表が出ています。

 

  • 現代の海賊の目的の多くは、標的にした船舶の積み荷の略奪ではなく、乗組員を人質に身代金を得ること。船舶そのものの乗っ取り(ハイジャック)が成功する時もあれば、一部の船員を誘拐するケースもあるようです。先日の投稿で出てきたスエズ運河の近海でもそのような事案が発生していますので、世界の海上輸送において依然として大きなリスクとなっています。

 

  • 保険の考え方において、海賊は戦争危険の分類になりますので、通常の外航貨物海上保険では免責事項に該当します。(特約でカバーすることも可能です。)
    一方で、身代金交渉を請け負う会社への代金や、身代金そのものをカバーする保険というのも存在しています。リスクの多様化と共に、保険の世界は果てしなく広がる・・・知れば知るほど、そう思わずにいられません。

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